記者
家づくりのテーマを教えてください
ご主人
家は帰る場所だから、飽きが来なくて、無駄な意匠のないニュートラルなもの。
普通なんだけど美しいもの。時代によって変えられるもの。特別じゃなくホッとできるもの…そんな家を求めてました。
ぼくの思い出の中にある「昭和の原風景」と、子どもの頃に見た「素敵な家」をイメージしてました。
記者
ご主人は美容師、奥様は生地デザイナーとして活躍中とお聞きしています。「家づくり」はいかがでしたか?
ご主人
色々な人たちと一緒に「作る」という感覚が楽しかった。
設計の方だったり、職人さんだったり、庭を作る人だったり。
僕も「作り出す」仕事をしているので、この家から触発されるといいな…と思いはありましたね。
奥様
モノ作りする人って、自分の知らない素材を使って何かを作る人たちにものすごく興味があるんですよね。
設計士、大工さん、エクステリアの職人さん、そういった他のクリエイターの方の仕事ぶりを見る楽しみがありました。
記者
完成した家に住んでみての感想を教えてください。
奥様
実家の建売の一戸建てがすごく寒かったので「一戸建ては寒いもの」と思っていたんです。もともと冷え性で実家にいるときはしもやけまで出来ちゃって。
でも、この家は一戸建てだけど実家とは全然違います。暖かいし、それに自然素材の気持ち良さがあって、快適です。実家の両親も、この家にくると「居心地がいいね」って言います。
ご主人
僕たちの身長や利き手や料理の仕方を反映してつくったオーダーキッチンが使いやすい。
料理はそれぞれが作る日もあれば、二人で作ることもあります。食べることは生きることの基本だから、作ることも食べることも大切にしてます。
奥様
彼の経営する美容室のスタッフが来てくれて一緒に食事したり、友人が集まって深夜まで飲んだりすることも多いです。
彼のお母さんはお料理が上手で、社員みんなに食事を振舞うような方でした。
私の母も料理人だったので、食べる物、身体に入れる物には気をつけて育ててくれたんだと思います。だから、彼も私も食べることが好きなのかな?笑
ご主人
それから、家の真ん中に置いたソファーに座って、窓の外を眺めたり、天井を見ながら考え事をする時間が好きですね。リラックスできるから、新しいアイディアがわいてくる。
奥様
木のお風呂はお手入れが大変だと、皆さん思っていると思いますが、そうでもないですよ。ハーフユニットバスで、水が当たるところはタイルなので、毎日の掃除はざっと洗うくらい。蒸気で木の香りがするので、とても気持ちいいです。
記者
これから家づくりを始める方にアドバイスをお願いします。
ご主人
家づくりはトータルで考えると良いと思います。
外構とか庭って後回しにしがちだけど、ソファに座った時に、窓から何が見たいのか…というところまで考えると、おのずと窓の大きさや位置が決まってくるから。
奥様
実際に住んでみると、割と目が行くのは窓の外ですね。
そこにどんな景色があるかによって家の中の印象も変わると思います。
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編集後記
居心地の良い部屋と、奥様の美味しい料理と笑顔。うらやましいほど「帰りたくなる家」でした。