欠けやヒビの入った瀬戸物を直して使う「金継ぎ」
カテゴリー :家づくりを考える
白磁の美しさと手に取った時の感触がたまらなく気に入って買い求めた有田のカップ。
ある日、うっかりヒビを入れてしまいました。
途方に暮れていたところ、ある方が金継ぎをされていると聞き、ずうずうしくもお願いしたところ、すぐに快諾いただき修復して下さいました。
長くスーッとヒビが入った器が、味わい深く、オンリーワンのカップとして蘇りました。
割れたところを漆で接着して金で仕上げる金継ぎは、壊れたものを修復するだけでなく、愛着ある器の価値をさらに高めてくれる素晴らしい日本の技法です。
こうした修復の美しさを見ていると、家づくりにも似たような思いが湧いてきます。家もまた、時間と共に使い込まれ、傷や経年変化が現れます。しかし、その一つ一つの傷や変化が、その家に歴史と個性を与えていくものだと感じます。家を建てるとき、ただ新しくて完璧なものを求めるだけではなく、時間を経て愛着が湧き、成長していく過程を楽しむことが大切だと思います。まるで金継ぎのように、少しの手間や工夫を加えることで、家の価値は深まるものです。
例えば、家の一部に古材を使ったり、手作りの家具を取り入れたりすることで、家全体に温かみと歴史を感じさせることができます。また、リフォームの際も、古い部分を残しつつ新しいものを加えることで、まるで修復された器のように、過去と未来が融合した素敵な空間が生まれます。家づくりも、ただの「新しさ」ではなく、「長く愛される家」を目指すことが、最終的には一番価値のあるものになるのではないでしょうか。