木造住宅が抱える問題として、シロアリ被害があります。
私たちは、
発がん性や毒性が心配される薬剤などは使用せず、
「ホウ酸」を用いて、安全で健康なシロアリ予防施工をします。
ホウ酸塩から精製された鉱物であるホウ酸は、海水・淡水・岩石・植物・土壊などに存在する天然物質です。
目薬などにも使われ、身体に安心です。
人や犬猫などのほ乳動物は、消化・排出することができるので安全ですが、胃臓をもたないシロアリは代謝できずに死滅します。
木材に散布され結晶化されたホウ酸は揮発、分解されることがないため、水で洗い流されない限り効果が低下することはありません。
半永久的な効果が得られます。
害虫だけでなく、木材腐朽菌にも効果があります。
欧米では木材の防腐剤としても広く使われています。
阪神大震災で被害の大きかった神戸市東灘地区では、倒壊した家屋の約8割にシロアリの被害が見られたとの調査報告があります。
シロアリを発見した時には、すでに食害の被害が広がってしまっている場合が多いのです。
1977年、「建物の健康性」を追求してできたのがひらいの木の家ですが、建物だけでなく、「住む人の健康性」も考えた家づくりが重要という思いを持ち続けてきました。
1994年、横浜国立大学の加藤龍夫先生の著書「農薬と環境破壊56話」で、「床下の毒ガス」という言葉に出会ったときは衝撃でした。
当時は、今のような「健康建材」などは存在せず、建築中のほとんどの現場では化学物質による神経刺激が起こっていました。
そんな中、ひらいの木の家の場合は、ひと夏を過ごすと、室内での不快感や匂いは、ほとんどなくなっていました。
ですから、ひらいの木の家の躯体内空間の空気の流れで、シロアリ防除剤の有害な成分も揮発してなくなっているだろうと、期待していました。
加藤教授との調査の結果、期待通り20種類あまりの化学物質は建物内から抜けていましたが、シロアリ防除剤の有害な化学成分だけは、室内の空気から高レベルで検出されました。
シロアリ被害を予防しようとして、住む人が薬剤被害を受けてしまっては本末転倒です。
そこで、私たちは薬剤によるシロアリ対策を一切やめる姿勢を打ち出しました。
ひらいの木の家では、薬剤に頼らず、構造材を常に空気に触れさせる工法で、躯体内を乾燥状態に保つことによって、シロアリが生息しにくい環境を作ってきました。
ところが、2009年「NHKクローズアップ現代」で、「アメリカカンザイシロアリ」の特集が放送され、乾燥した木材を好む外来種のシロアリが日本で発見されたことがわかりました。
「アメリカカンザイシロアリ」の恐ろしさは、日本のシロアリの反対の性質を持つところです。
日本在来種のシロアリは乾燥を嫌い、湿気を好み、水を必要としますが、アメリカカンザイシロアリはその乾燥状態を逆に好みます。
この新しいシロアリへの対策として、私たちがたどり着いたのが、人に安全でシロアリ予防に高い効果のある「ホウ酸」でした。
2011年より、すでにお住まいのお客様のお宅へのホウ酸施工をスタートさせました。
現在は新築建築、およびひらいの木の家以外のリフォーム物件でも、ホウ酸によるシロアリ予防施工をおすすめしています。